私たちは地域の高齢者施設で「傾聴ボランティア」をしています。
月に1回、4か所の施設を訪問し、入居者の方々に話を聴かせて頂いています。
そこで私たちによく語ってくださるのは、家族やふるさとの話、昔の生活や仕事の話、そして戦争体験の話などです。
話によっては「忘れた…」と言われることもあるのですが、戦争の話はとてもリアルに語ってくださいます。
自分が体験していない山荘の話を聴かせていただき、自部の中だけで留めておくのはもったいない、と考えるようになりました。このような体験談をもっとしっかり聴き取って、多くの人に伝えたい、広めていきたい、それが聴いた者の役割ではないかと思います。
戦後70年、戦争体験の風化が叫ばれるなか、次世代を担う若い人々へこの体験談をつなげていきたいという思いが、このさつぃを作る運びとなりました。
社会の中で、高齢者は孤立感を感じており、若者は貧困、いじめ、自殺や、先の見えない閉塞感などの生きづらさを抱えています。
戦争体験の話は、戦争の悲惨さ、むごさだけでなく、その中で生き抜いてきた、たくましさ、命の大切さ、知恵、人と人とのつながりなどの大事さ、平和であることのありがたさを教えてくれます。
たくさんの方々に、この冊子を手にしていただき、見て頂けると幸いです。
紙芝居も作りました
私たちが聴き取りをしてきた思ったことは、「戦争体験とひとくくりにはできない、一人ひとりにそれぞれの体験があり、さまざま人生や生き方がここにある」ということでした。
また、今でも戦争の傷を背負い続けておられることを知り、戦争の傷の深さを思い知らされました。
話の中で、人々がどう戦争と向き合ってきたのか、そのなかで生き延びてきて、今どう考えておられるのか、その一端を聴きとることができたかと思っています。
聴き取りを始めてから、私たちが施設にいくと、「今日話をするんでしょうか?」と言って先に私たちを待ってくれている方々の姿がありました。
話をすることで元気になられている姿に驚きうれしく思いました。
誰もが語りたいのもを持っている、伝えたいと願っているのではないかと感じ取れる瞬間です。
そのお気持ちをこれからもしっかり受け止め心に刻んでいきたいと思っています。
小さな子どもから、高齢者の皆さんに手に取って見ていただきたく、絵本のような冊子を目指し、いろんな工夫をしました。
冊子は、全ページカラーで、文字を少し大きく、ルビを入れています。
孫子の代に語り続けていける、一つのツールとして活用して頂けると幸いです。
また、冊子を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
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